[2021夏] ローマ法特別講義

GVプログラムの学生(主に1・2年生)は、夏休みの間に、ローマ法の五十君麻里子教授によるローマ法の特別講義を受けました。この講義ではローマ法を通じて、法学のさまざまな考え方に触れることができました。この講義は、GVゼミを踏まえて、五十君先生のご提案により行われました。私たちの学習状況を考えてくださった上で、このような特別講義を受ける機会をいただき、とても感謝しています。

今回の講義のテーマは、大陸法と英米法の違いについてでした。これについては、これまでも聞く機会たびたびありましたが、今回の講義では、法に関する歴史的な流れや考え方の対立を比較して見ていくことによって、大陸法と英米法についてより深く理解することができました。

また、実際に現行民法の条文を使った解説がありました。平成29年に改正された契約不適合責任(瑕疵担保責任)について定める条文について検討しました。私たち下級生は、まだ法学部の講義では学習していない内容で、初めはローマ法と日本の民法の関連性についてよく分からず、戸惑っていました。しかし、丁寧な説明やたくさんの質問に答えてくださったことから、しっかりと理解することができました。近時の法改正の傾向とローマ法との関係について学ぶことはとても新鮮で興味深かったです。

さらに、現在のビジネスで変化している状況についての法的な説明もありました。簡単な例を用いて、現在誕生している多様な形でのビジネスについて、それに対応した法制度を考えていく上で、ローマ法を考えることが一つの手段であるということがわかりました。これらから、ルール策定の際に、ローマ法のような基礎法学を踏まえて考えていくというプロセスが重要であるということがわかり、グローバルローヤーを志す私たちGV生にとって、貴重な考え方を学ぶことができたのではないかと思います。

今回の講義では、ローマ法に関することはもちろん、民法の具体的な内容や比較法的な考え方、現在問題となっている新たな状況における法のあり方など、多様な考え方を学ぶことができました。大変興味深い内容で、今後の法学の学習がより楽しみになりました。

稗田 圭佑