[2021-1] IRPセミナー

本日は、私たち4期生が1年間かけて取り組んでいる”Individual Research Project(IRP)”についてご紹介します。IRPでは、各自が自分の関心のあるテーマを設定し、研究を進め、最終的に英語の論文として完成、発表することを目標にしています。

これまでの3年間の大学生活において、様々な分野の法学や政治学の授業を通じて学びを深めてきましたが、自分の力で一からテーマを設定し、仮説を論証していくという論文執筆は初めての経験であり、大変貴重な機会だと考えています。

前期には、主に論文の書き方を学び、各自でテーマ設定、先行研究の調査、研究計画の作成に取り組みました。論文の書き方では、GVティーチングアソシエートの先生から、研究方法や課題設定について教わりました。この過程で、私は先行研究の調査の重要性を実感しました。論文に不可欠な“独自性”とは、従来の研究で明らかにされた点とされていない点を把握したうえで、先行研究と自らが明らかにしたい事象との溝を埋めていく過程で生まれるものだからです。

テーマ設定においては、各自が日々の大学内外での学びのなかで問題意識や疑問を抱いた点を掘り下げる形で、行っていきました。同期は皆、それぞれの関心のある授業での学びや社会問題から問いを見出しており、改めて普段から主体的に学び、考えることの大切さを再認識しました。私は、移民政策と日米関係への関心から、「戦間期の日本の移民政策と日系人のアイデンティティ」をテーマに設定しました。

研究計画の作成では、各自が皆に発表し、フィードバックをもらいました。

論文執筆の過程では、時に方向性を見失ったり、考えや調査方法に偏りが出てきたりすることもありますが、そんな時こそ他者の多角的な視点やアドバイスが貴重なものだと痛感しています。私自身、自分のテーマに馴染みのない仲間からの素朴な疑問から、見落としていた点に気が付くことができた経験がしばしばありました。

同期の皆で取り組むこの機会を最大限に活かし、活発に意見交換をしながら進めていきたいと考えています。大学生活の集大成として形にできるよう、残り半年間、励んでいきたいです。

田島 桃子